町内会の地デジ対応を完了したので大手を振ってカナダに旅立ちます

 かねてからの懸案であった町内会の1200戸のテレビの私設非営利CATVの地デジ放送への対応のための改修工事がようやく1週間前に終了しました。設備としてはすべて順調に機能しています。僅かに10軒ほどの住民が不具合を訴えましたが、すべて個人の家屋内の配線等の問題でして、それらも解決して、キレイな映像を見て貰っています。ただし、地デジ対応のテレビを所有していない家庭では問題は将来地デジ対応テレビが購入された時に分かることになります。そこで、私はこの町内会の役職を7月10日付けで解いてもらっています。これで、後ろ髪を引かれることなくカナダに旅立てます。  

 とは言え、今日も問合せの電話が拙宅に来ました。老人だけが生活している家で、地デジ対応のテレビを持ちながらチャンネル設定が出来ないと言うのです。既に、その関連の指導ビラを13回も配っているのですが、子どもや孫に手伝ってもらわずに放置していたと言うのです。取扱い説明書を紛失したので、テレビのメーカーの消費者相談室にもフリーダイヤルすることすら出来ないと言われて、電話の向こうで今にも泣き出しそうな声がするのです。「自分は既に退任した身であるから、手伝えない」とも言えずに、「今からお宅に伺っても良いですか。それがOKならチャンネル設定をして差し上げましょう」と答えたら、「是非に」との返事。お宅に行ったら、私に馴染みのあるメーカーのテレビを使われていたので、簡単に設定が出来ました。

 作業中に外から誰かがその家に電話を掛けて来たようで、そこの老婆が、「今来られてやって下さっているわ」と言ってから、「この電話に出てちょうだい」と受話器を私の眼前に出されたので、受取ると向こうから「もしもし」。電話の主は私の知っている近所の奥さんでした。「私が、あなたが今日まで日本に居るから、電話して御覧なさいと言ったのよ。案の定、家に訪ねて行ってくれたのね、ありがとう」と言われて、「そうだったのですか、兎に角、上手く行きましたから安心してください」と報告して電話を切りました。

 「ああ、良かった。若し、『私は既に退任したので手伝えないから○○さんに電話して応援を求めてください』と言って依頼を断ったら、期待を裏切ってしまい、それだけ評判を落とすところだった」と思ったのです。際どい所でした。私の世話好きな性格を信じての隣人へのアドバイスだったのでしょうが、期待を裏切らなかったことは良かったです。

 途方に暮れていたような老婆のか細い泣きそうな声を聞いて思わず拙宅を飛び出して、その家に入った時の彼女の安堵の顔を見せられたから、地デジ放送を見られるようにしてあげただけのことなのです。そして、拙宅への帰途で ふと、宮沢賢治のアメニモマケズの詩の一節を思い出しました。それほど似たことをしたのではないのに、何故か、「東に病気の子どもあれば、行って看病してやり、西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を負い 南に死にそうな人あれば、行って怖がらなくてもいいと言い 北に喧嘩や訴訟があれば、つまらないから止めろと言い ・・・・」 そして、「みんなにデクノ坊と呼ばれ 誉められもせず 苦にもされず そういう者に 私は なりたい」 とつぶやいてしまいました。 そう言えば、この1年間は、こんなことで日々が明け暮れて来たのです。 

Comments

1通の返信 to “町内会の地デジ対応を完了したので大手を振ってカナダに旅立ちます”

  1. 永田 淳 : 2010-07-14 9:45 AM

    能勢さんへ

    最後に大変すばらしいことをなさいましたね。
    私の母校のスクールモットーは”Mastery for Service”です。「奉仕のための練達」と訳されています。持ち場持ち場でベストを尽くす・・というか、地球市民としての正しい生き方を目指そうといった感覚です。能勢さんの日頃の活動はまさにそれに合致していると思っています。
    カナダへの留学も最初は唐突に感じましたが、あなたの中では極く自然なのだと思います。
    健康に留意されカナダライフをエンジョイされることをお祈りいたします。タイミングが合えば、MM38会にもお顔をお見せ下さい。

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